葉酸サプリメントは妊娠後期は必要ない！？厚生労働省が妊娠1ヶ月前～12週を推奨する理由とは

以前葉酸サプリメントの選び方について書きました。

今回は葉酸サプリメントを飲む時期について紹介します。

葉酸サプリメントの通販のHPでは「妊娠中ずっと飲んだほうがいい。」「産後も飲んだほうがいい。」というフレーズをよくみます。

できるだけ長く購入してほしいのでしょうが、私は妊娠1ヶ月前（妊活中）～妊娠12週だけでいいと思います！

厚生労働省が推奨しているのがこの期間だけだからです。

Q.葉酸サプリメントはいつ、どれだけ内服すればよいですか？
妊娠4週前から妊娠12週まで、葉酸サプリメントを1日400マイクログラム内服してください。
厚生労働省難治性疾患克服事業・研究班　葉酸普及研究会

なぜ厚生労働省がこの期間だけに限定しているのか詳しく説明しますね^^

葉酸サプリメントによる喘息のリスク

オーストラリアのアデレード大学の研究チームによると、『妊娠後期に葉酸サプリメントを摂取すると喘息発症リスクが30％高まる』という研究結果を発表しました。

妊娠後期に葉酸が多く含まれる食べ物をとった場合は、喘息発症リスクは高まらなかったそうです。

妊娠初期だけだと、葉酸サプリメントをとっても同じく喘息発症リスクは高まらなかったそうです。

つまり、妊娠後期の葉酸サプリメントがダメなのです！

『オーストラリアの研究チームの結果は1日1000マイクログラムの過剰量だった。市販の葉酸サプリメントは1日400マイクログラムだから問題ない！』

という内容で妊娠後期、産後まで葉酸サプリメントを推奨しているサイトがたくさんあります。

でも、『葉酸サプリメントを400マイクログラム摂取しても喘息のリスクは上がらない』という研究結果は出てないんです。

私は、過剰量でなければ妊娠後期に飲んでも問題ないとは言い切れないと思っています。

なので、わざわざ厚生労働省が推奨している期間（妊娠1ヶ月前～妊娠12週）以上に飲む必要はないと思います。

胎児は妊娠3週～12週ごろまで器官がどんどん形成されていって、人としての体に成長していきます。

特に中枢神経系、四肢、心臓などは妊娠7週未満にほぼ完成しています。

山本産婦人科HPより

赤ちゃんの先天性異常の多くは、妊娠初期の12週くらいまでに細胞分裂が正常に行われないために発生しているそうです。（赤い部分が感受性の強い時期）

そのため、妊娠12週は器官形成の臨界期と呼ばれています。

でも、妊娠初期にまだ妊娠に気づいていない人も多いですよね。

気づいたころには5週目、6週目という人もたくさんいます。

葉酸は細胞の増殖、臓器の形成に不可欠の役割を果たしているので、妊活中から葉酸サプリメントをとって先天性異常のリスクを下げる必要があるんです。

でも、妊娠してから葉酸を飲むと、妊娠に気づくのが遅くて必要な時期に葉酸が足りなかったなんてことになりかねないですよね。

なので、厚生労働省が推奨している葉酸サプリメント摂取期間は妊活中（妊娠1ヶ月前）～妊娠12週なのです。